チャリ旅 新たな出会い 第10話

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本来の業務である一人チャリ旅。京都から大阪方面へアパッチ号を走らせる。

「うゎ!また山!!」箱根の苦い経験が頭をよぎるが「箱根の山よりはたいしたことないはず」とも思った。あの嵐の中、険しい山を越えた経験が活きている。(第2話参照)

とはいえ急な坂道。アパッチ号を引きずって歩く。途中で道を聞いた地元のおっちゃん曰く、この山の名前は「大阪山」と言っていた。県道79号だろうか。のちに地図で確認するとそのような名前の山はなかった。地元民で認知されている俗称なのかも。

しかも!

京都から大阪へは山に登る必要はないとも地図で確認できた。

平坦な道で行けるようだ・・・無知

ちなみに、無知であることでかなりの不便を強いられていたことがこの後の新たな出会いで発覚。かなり致命的でショッキング。内容は後述する。

人生初の大阪に入った。御堂筋に出る。まず考えた行ってみたい所と食べてみたいもの。

①「道頓堀」に行ってみたい!

②本場のたこ焼き食べたい!

③グリコ看板観たい!

だった。つきなみ…。どれもあっけなく達成。

特にたこ焼きはいくつでもお腹に入ると感じた。超有名なそのお店のたこ焼きは、ソース甘目で生地のお出汁がきいてあっさりとしているがコク深くおいしかった。

にしても、大阪ってすごいバイタリティ。

子汚い恰好で自転車を引きずり地図を広げているとすぐに声をかけてくる。

おっちゃん:「あんちゃんどっから来たん?よこはま!?ほなベイスターズやな。お得意さんやわ。ありがたいのう」合掌。

ノリ突っ込み。言いたいことだけを言って去っていく…。

確かにその年タイガースが強く、ベイスターズは輪をかけて弱かった。

な、なんなんだこの世界。

ご飯を食べようと、入った中華料理屋でも似たような声のかけられ方をした。

まるで外国。

会話はすべて漫才に聞こえる。

確かな統計を取る術はないが、世の中に大海の一撃をくらわしている人は関西出身者が多い気がする。お笑い芸人はもとより、スポーツ選手・音楽家・ビジネスマン(企業)・教育者・作家・学者・科学者などなど。メディアで目耳にする人で「この人面白いな」と感じる人は大体関西系の人だったりする。この世界で生きていくとコミュ力がアップして脳が発達しそう。私見。

時刻は午後15時くらいだったろうか。

神戸に向かう道中、水分を購入しようと立ち寄ったコンビニ。

同じコンビニで買い物をしていたチャリダーに声をかけられる。

私の出で立ちをみて興味が湧いたらしい。

彼のぱっと見。私とは比べるまでもなく、

チャリダーとしての高い専門性と社会人オーラ。

①空気抵抗軽減と安全性を実現したヘルメット

②派手なウェアとスパッツ

③ペダルに固定される靴

④めちゃめちゃ速そう(実際、速い。指一本で持てるほど軽量。素人のオレでも見てわかる。かなり高価)な極限まで細いタイヤのロードレーサーチャリ

オレ

①頭皮むき出したまにねじり鉢巻き

②ジミヘンTシャツとサッカー用のハーフパンツ

③古いプーマのスニーカー

④めちゃめちゃ遅そう(実際、遅い。指一本では折れるほどの重量。値切るも失敗。¥39,800私にとっては高価)な太いゴツゴツのオフロードタイヤのチャリ。

彼:「旅してるの?どこから来たの?」

オレ:「横浜。どこかの島に行きたい。できれば沖縄。」

彼:「横浜!?ずっとチャリで?箱根越えたの?」

オレ:「まあ・・・。」うなずく。

彼:「ええっ!そのチャリで!!無茶だよ!!!

確かに…。どこから見ても完全無欠のオフロード仕様。

彼によると箱根越えは専門性の高いチャリダー間でもかなりの難易度だそうな。

・・・致命的で決定的な無知

そりゃ平たんな道でも遅いわけで…(-_-)

彼:「歳はいくつ?」

オレ:「29」

彼:「あ…年上だ」

彼は26だった。29の私と彼が並ぶと中学生(私)と大人(彼)に見える。

彼の名は忘れた。たしか関東のヒト。一緒にいる時間(15時間くらいかな)が短く覚えていない。お互いに名乗ったのかすら覚えていない…。

すまん🙇

覚えていること。26歳会社員。身長172くらい。ぽっちゃり体型。人の目を見て話すことが苦手。当時最新のPCを持っている。一人用テント持ってる。便利グッズをいろいろ持ってる。チャリがすぐにバラせて何より軽い。スピードメーターが付いてる。

いろいろと学んだ彼との道中は次回から。お楽しみに✋

第11話に続く

おっくん

おっくん

3児の父。一度きりの人生。焦らず腐らず諦めず。
19年の教員人生に終止符をうち起業。”自然の息吹を身に纏う”子どもたちのアパレルブランドT-ockbayを立ち上げる。

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