彼:「あのう・・・道を聞きたいのですが…」
オレ:「地元じゃないからよくわからないんだ」
彼:「あ・・・そうですか…」
オレ:「大学生?どこから来たの?」
彼:「東京から来ました。A学に通ってます」
オレ:「そーなんだ。オレ、N大B学部」
彼:「え!ぼくN大受験しましたよ!家は※明大前です!」
彼は興奮した口調。
オレ:「えー!近いね!・・・つーかオレ、住んでるところは横浜だけど」
オレも少しずつテンションが上がってきた。
ちなみに明大前の一風堂とペッパーランチは当時の行きつけ。
妙な縁。それからお互いに軽く自己紹介をし、向かう方向がとりえず同じであったため旅を共にすることにした。
しかしここまで来た(と言ってもほとんどスタート地点だが…)以上、帰るのも悔しい。何か爪痕を残したい。引き返した友に土産話の一つでも持ち帰りたい・・・けど・・・。などと思い悩んでいる時にオレと出くわしたらしい。
私はもともと一人で旅をしようと思っていたため、嬉しい誤算だった。しかも司馬遼太郎著『竜馬がゆく』は私も好きで読破しており話も合う。ちなみに、『宮本武蔵』を世に送り出した吉川英治の名言、”会う人、出会うもの、すべて我が師なり” は私の座右の銘と言っても過言ではない…余談。
旅は道連れ
(*´▽`*)
とはよく言ったものだ。ちょうど少し心細かったし、話し相手ができただけでテンションが上った⤴
早速、自販機の前に停車して第1回ルート会議をした。
Tスケは細かい道も載っている地図をプリントアウトして持っていた。私の大まかな地図よりも、そちらのほうが重宝した。
とにかく今は夏場。昼間は暑いため体力を消耗するから寝る。夜中は車にひかれたり暗闇で道が見えず崖から落ちたりと危険なため寝る。朝方と夕方の涼しいうちに距離を稼ぐ。アパッチ号を購入した地元の自転車屋『やまだサイクル』の旦那さんから聞いた、経験則に基づく夏場のチャリ旅鉄則などを伝えながら会議は進む。
Tスケ:「東海道は歴史的な建造物などが要所にあり、走っていて楽しいかもしれない」
オレ:「あーなるほど!それいいねぇ!」
・・・のちにTスケの知識力が尋常でないことを知り、学びの多い驚きの旅となる…。
結局は左手に海を見ながら(と言っても今は夜)走るのはきっと気分が良いだろう。ということで海沿いルートに決め出発した。
さぁ行こう!
(*´▽`*)
第5話に続く