チャリ旅 輝く太陽の子 第14話

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7:45 地図を広げてルート確認。保育園へ行くには山を登らなくてはならない。10時くらいに着ければ園庭や近くの公園にいるはず。Tヤキ兄ちゃんに会って話をして、あわよくば今日泊めてもらえるとかなり嬉しい(*´▽`*)

数年ぶりの再会が、いきなり横浜から自転車で現れて今日泊めてくれないかというこのサプライズ。しかもTヤキ兄ちゃん仕事中…。

かなりの厚かましさ。

無理なら野宿すればいいという一人旅ならではの腰の軽さ。

数十年前であるからこそ許される牧歌的な思考と行動。

今のご時勢であれば不審者としてすぐ通報レベル

とりあえずチャリで行ってみよう。数年前は電車で行った。電車に揺られているとかなり登っていた思い出がある。地図で見る限り険しい山ではないはず。

顔を洗って歯を磨いて出発。

この保育園に行ったきっかけはちょっとした知り合いに紹介してもらったから。その知り合いはこの保育園の元保育士。「面白いことしているところがあるよ」話を聞いて興味津々となった私はすぐにその話に乗った。行きたい意思を示したら話を通してくれた。

その保育園の面白さをまとめてみた。とはいえ数十年前。現在は当てはまらないことがあることを念頭に読み進めてもらいたい。

▷行く前に聞いていたこと

①自由。裸足で園庭で遊び裸足で園舎に入ってくるため床が砂でじゃりじゃり。

②地面が穴だらけでぼっこぼこの園庭にある遊具や遊歩道、ログハウスは木製の手作り。とても温かい雰囲気。

③給食室があり給食が出る。化学調味料などは使わず素材の味にこだわっている。子どもたちが生産者として育てたものを中心に提供している。

④ヤギなどの動物が多数いる。それぞれに名前があり、園児は親しみを込めて家族のように接している。

⑤木曜日に魔女が来る。年長者だけが園庭にあるログハウスに入り魔女からお話を聞いてお菓子をもらう。年長者以外の子は、年長者がログハウスに入るのを羨ましそうに見ている。

▷行ってみて感じたこと

①②のびやかで天真爛漫。表現豊か。「子どもらしさってこうだよな」と思うことが多数ある。それぞれにピカピカ泥団子を造って磨いていた。泥団子には人格があるようだった。山遊びなども活発に行われていたが、住宅地の開発で山の遊び場がなくなってきていることを保育士さんが嘆いていた。

③自分たちで大切に育てたものを自分たちでおいしくいただく。器やスプーンは木製で、自然と共に生きていることを学んでいる。素材の味が豊かで最高においしかった。

④園児にとっておじいちゃんでありおばあちゃんであり兄弟であり息子や娘のような存在。親しみを込めてあだ名で呼んでいた。

⑤ログハウスから出てきた年長者は誇らしそう。それを見ている子ども達は「早く歳を取りたいねん!」と叫んでいた。早く年長者になりたいと思う⇒大人になるって楽しいこと。私は厚かましくも客人としてログハウスに入れてもらえた。その保育園に数年間勤めている年長者以外の保育士さんは魔女のお話を聞いたことがないため、保育士の方々から関西弁の突っ込みがかなり入った…。申し訳ない!

一言でいうと、衣・食・住すべてにわたって達成されている(しようとしている)理念へのこだわり。その様子はいろいろな場面で見受けられた。

まだまだ気が付けなかったことがたくさんあるはず。とにかく保育者と子どもたち一人ひとりが誰かを明るく照らしてくれる太陽のような存在だった☀

10時過ぎに着。まずは園の周りをぐるっとしてみた。円の隣の公園に目をやると、

いた!Tヤキ兄ちゃんと子どもたち!何かの活動をしている(^^)

タイミングを見計らって、「Tヤキにーちゃーん」と呼んでみた。

Tヤキ兄ちゃんの反応は、「え?」見てみると子汚い恰好でニコニコして自転車に乗っている。誰?という表情。

!!( ゚Д゚)

まさか…なぜここに…チャリ…うそやろ…。

第15話に続く

おっくん

おっくん

3児の父。一度きりの人生。焦らず腐らず諦めず。
19年の教員人生に終止符をうち起業。”自然の息吹を身に纏う”子どもたちのアパレルブランドT-ockbayを立ち上げる。

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